ストーカーには内容証明で警告。記録を残し効果的に対応する方法

2019年3月10日 2022年9月17日

編集部

内容証明を使った警告が有効

ストーカー被害をやめさせるためには、警察や専門の相談窓口に相談するのが安全で効果的です。しかし、そこまで事を荒立てたくない場合や、相手が元恋人や職場の人で警察沙汰にしたく無い場合などがあります。

そのような時に、ストーカー行為を警告するために使えるのが内容証明郵便になります。内容証明郵便では、相手にストーカー行為の停止をるように警告したことを後日証明可能な文書として残すことができます。

内容証明を使用するメリットや、参考になるテンプレートをご紹介します。

そもそも内容証明郵便とはなにか？

内容証明郵便とは、郵便の一種であり、いつ送付し、どのような内容が記載されており、相手が受領したことを日本郵便が証明してくれるというのが他の郵便と大きな違う点になります。法的な効力は無い郵便ですが、

郵便を「受け取った」とか「受け取っていない」とか
「受け取った郵便にはそんなことは書かれていなかった」

など基本的なところで争いになることを防ぎ、しっかりと相手に通知したことを証明できることが特徴です。

警告を内容証明で行うメリットは？

プレッシャーを与える

まず、内容証明を使用するメリットとしては、内容証明というフォーマルな形式で伝えることでストーカーの加害者に対して、ストーカー行為の中止を真剣に行っていると伝えることができきる点です。
内容証明は裁判や警察への通報の前に使うことが多く、「もし内容証明で話がまとまらなければ、警察への相談や刑事告訴という手段もとり得る」というプレッシャーを相手に与え、こちらの真剣さを伝えることで相手に適切な対応を迫ることができます。

ストーカー行為の中止を要求したと証明できる

つぎに、ストーカーの中止を要求したということを証明できるという点です。口頭での要求や、書類を手渡しすることでは、うやむやにされる可能性もありますが、内容証明ではどのような内容を相手に送り、相手が受け取ったかも日本郵便が証明してくれます。

警察や刑事告訴で証拠になりえる

最後に、警察に訴えるとなった際に、証拠として利用することができます。内容証明でストーカー行為への警告を要求しているにもかかわらず、行為を続けられたなど証明する際に使えます。

書く際に気をつけるべきポイントは？

内容証明を書く際には、注意したほうが良いポイントが何点かありますのでおさえておくと良いでしょう。

事実関係の記載と中止要求

まずは、調べてわかっている浮気の事実を簡潔に記載します。例えば、

例

　あなたとは令和△年△月ごろから半年ほど交際しましたが、令和△年△月ごろに、わたしが妻子のある身であることをふまえた結果、双方が納得のうえで交際を打ち切りました。
　ところが、令和△年△月ごろから私の家に無言電話や郵便物などが届くようになり、また通勤帰宅途中に何回かつきまとわれたりと、不審な出来事が続きました。これら一連の出来事が始まったときに、興信所に依頼して調査をしていたところ、かかる行為はあなたが行っていたものと判明いたしました。

　これらのいわゆるストーカー行為をただちに止めるよう通告します。

このように、ストーカー行為の事実を記載し止めるよう通告します。

やめなければ刑事告訴をすると伝える

また、相手に行為をやめなければ刑事告訴をすると伝えることでこちらの真剣さを伝えることができます。ストーカー行為は２０００年に制定されたストーカー行為等の規制等に関する法律により禁止されているためそのことも伝えると良いでしょう。

例

　かかる行為はストーカー行為等規制法で禁止されている「つきまとい等」の行為として刑罰の対象となります。
　今後も従前のような行為が続くようであれば、私は、刑事告訴を含めた、断固たる処置を講じる所存であります。

郵便の題

最後に郵便を出す際は、「ストーカー行為中止通告書」などと封筒に書かないことをおすすめします。もし、書いてしまうとその封筒をみて、相手が受け取り拒否をする可能性があるためです。受け取り拒否をされてしまうとなかなか相手に受け取らせることが今後難しくなるため、「親展」などだけ書いて送るほうが良いでしょう。大切なのは、事前に内容証明郵便を送りますなどと伝えないことです。

もし、身の危険を感じる場合は自分１人で解決しようとしないでただちに、警察や相談窓口へ行ってください。