セクハラ被害を会社に内容証明を使って申告する方法

2019年1月15日 2022年9月17日

編集部

セクハラ被害を会社に内容証明で申告する

セクハラ被害を受けた場合、会社に対して加害者の指導や管理を要求したり、職場環境の改善を求めることができます。男女雇用機会均等法では、会社が男女労働者に対するセクハラは許されないことを職場に徹底し、防止策とともに苦情の迅速かつ適切な解決のために必要な処置を講ずるよう義務付けられているためです。

加害者は、しばしば口止めを試みたり、応じない場合には威嚇的行動をすることがあります。加害者がエスカレートする前に迅速に会社にセクハラを申告し対応を講じてもらうことが大切になります。

会社にセクハラを申告する際に使える手段の一つが、内容証明郵便を送付して伝えるという方法になります。内容証明郵便を使うメリットや、申告を書く時のポイント、例文などを紹介させていただきます。

そもそも、内容証明郵便とは？

内容証明郵便とは、郵便の一種であり、

いつ送付し、どのような内容が記載されており、相手が受領したことを日本郵便が証明してくれるというのが他の郵便と大きな違う点になります。法的な効力は無い郵便ですが、これがあることで、

「郵便を受け取った」とか「受け取っていない」

「受け取った郵便にはそんなことは書かれていなかった」

など基本的なところで争いになることを防ぎ、しっかりと相手に通知したことを証明できることが特徴です。

また、一般的に内容証明は法的な手段をとる前に相手と交渉するのに使われることが多いため、こちらが本気で対応していると伝えることができ大きなプレッシャーを与えることができます。

セクハラの申告を内容証明で行うメリットは？

プレッシャーを与える

まず、内容証明を使用するメリットとしては、内容証明というフォーマルな形式で伝えることで会社に対して、セクハラへの対応を本気で行っていると伝えることができます。普通に会社に相談することもできますが、内容証明という特殊な形式な郵便で行うことで会社へも対応へのプレッシャーを与えて対応を迫ることができます。

セクハラの申告をしたことを証明できる

つぎに、セクハラに関する申告を行ったということを証明できるという点です。そもそも、申告を受けた受けていないという根本的なところで争いなることを防ぐことができます。口頭での相談や、書類を手渡しすることでは、揉み消される可能性もゼロではありませんが、内容証明では申告したことを証明することができます。

裁判で証拠として証明できる

最後に、万が一揉めて会社との間で裁判になった際に証拠として利用ことができます。会社に対して、どのようなセクハラがあったかと申告して改善を求めていたということを裁判の中で証明するための有力な証拠になりえます。

書く際に気をつけるべきポイントは？

セクハラの告発を内容証明で書く際には、注意したほうが良いポイントが何点かありますので抑えておくと良いでしょう。

セクハラの内容を記載

まずは、どのようなセクハラにあったかを具体的に記載することが必要です。セクハラのことを思い出すだけでお辛いことかとおもいますが、具体的に書かなければ会社側も加害者に話をきくことができません。例えば、「令和４年４月１日から配属された人事部において、私は当時の人事部長である田中太郎氏から仕事の相談があるといわれて事務所に残っていたところ、性的な関係を強要されました。拒否したその翌日から無視されて、その後の賞与の査定が下げられました。」のようにどのような被害にあったか明確すると良いでしょう。

求める対応を記載

次に、どのような対応をしてほしいか述べましょう。「人事部長である田中太郎氏に対し、適切な指導と管理をなされるよう要求するとともに、部内の状況改善にたいする処置を採ってくださるよう要望いたします。」のようにはっきりと述べると良いでしょう。

封筒の題

最後に郵便を出す際は、「セクハラ通知書」などと封筒に書かないことをおすすめします。もし、書いてしまうとその封筒をみて、会社が受け取り拒否をする可能性があるためです。受け取り拒否をされてしまうとなかなか相手に受け取らせることが今後難しくなるため、「親展」などだけ書いて送るほうが良いでしょう。同様に、内容証明郵便送りますなど事前に伝えるべきではないでしょう。